第183章 ダーリン、怖いの

「あなた!」

高橋真子は思わずその言葉を叫んだ。

藤原月はベルトを外す動作を止め、彼女の方に戻って来て、顔を優しく撫でながら囁いた。「もう一度言って。」

「あなた!」

高橋真子は心の中で泣きそうになった。こんなに追い詰められるなんて。

藤原月は突然心が溶けるように柔らかくなり、彼女の手を離して眉や目にキスし、唇にもキスした。

高橋真子は怯えて小さな声を漏らし、彼を押しのけようとしたが、藤原月は彼女の手をソファーの中で絡め取り、キスは彼女の肌から離れることはなかった。

高橋真子はめまいを感じ、思わず彼の名を呼ぼうとしたが、一文字も発する前に、彼は突然彼女の唇を塞いだ。「もう一度呼んで。」

「藤原月...あっ、あなた。」

肌に痛みを感じ、高橋真子はすぐに素直にそう呼んだ。