私は幸運だと感じています。二人の本性をこんなに早く見抜けたことを。
怒りについては……申し訳ありませんが、もう冷静になりました。価値のない人に対して、価値のない怒りを感じる必要はありません。
「藤原一郎、みんなに言う必要はない。今すぐ友達圏に投稿して、山田翔太が破産したことを全員に知らせるから」
そう言って、私は素早く文章を編集し、友達圏に投稿した。
「元カノを裏切ったと言われているそうですが?申し訳ありませんが、私、山田翔太は良心に問いかけてみました。交際期間中、十分な誠意を尽くしてきました。誰かを裏切ったという事実はありません。納得できない方は、証拠を出して私と対決してください」
さらに、私は数枚の画像を添付しました。毎月の江口桜子への送金記録と、藤原一郎へのプレゼント購入記録です。
「それと、私の会社が破産したという噂がありますが?はっきりさせておきますが、本当です(笑)」
コメント欄は即座に大騒ぎになった。
「マジで破産したの?」
「嘘でしょ、私は信じないけど」
「なるほど、拝金主義の女と、パラサイトシングルの男か。二人がお似合いなわけだ」
「当然だよ、山田さん気にしないで。藤原一郎はずっとそんな調子だよ。この前も学校で自分の父親が会社経営者だって自慢してたけど、この間宅配物を取りに行った時、ボロボロの肥料袋を持って学校に入っていくの見たよ。しかも父親が校門の前にいるのを恥ずかしがって、さっさと帰れって言ってたんだぜ!」
藤原一郎はこれらのコメントを見て、即座に激怒した。
「山田翔太、これはどういうことだ?!すぐにその投稿を削除しろ!」
「なぜ削除する必要があるんだ?この投稿はお前の望み通りじゃないか?今みんな山田翔太が破産したことを知ったぞ。どうした、考えが変わったのか?」
私はタバコに火をつけ、ソファーで足を組んで座った。
「お前は——最低な男だ!付き合ってる時に女性にお金を使うのは当たり前だろう?それなのに別れた途端、この数十万円を返せって言うなんて、お前こそろくでもない奴だ!」
「お前らみたいな輩に、丁寧に接する必要なんてあるのか?」