第7章

彼は黙っていて、私も黙り込んで、家に帰ってからどうやって彼を慰めようか考えていた。

窓の外に目をやると、バックミラーに映る光景に、やっと落ち着いた心臓が再び喉元まで飛び上がった！

藤原九郎も車で追いかけてきていた。横後方たった一台分の距離で！

「しっかり掴まって」

耳元で藤原飛雄が低く言い、私が反応する間もなく、背中への圧迫感が一気に強まり、車速は瞬く間に三桁まで跳ね上がり、さらに上昇を続けていた！

私は手すりをきつく握り締め、胃が少しむかつき始めた。

藤原九郎はなぜ追いかけてきたの？

少しごまかそうと思っていたけど、今となっては、二人はバーの入り口で既に互いを認識していたのかもしれない？

「安全運転して、藤原飛雄」私は思わず注意した。

しかし彼の目の狂気はさらに増していた。「どうした？彼が追いつけないと心配か？」