第9章

社長は部屋に入るなり服を脱ぎ始め、佐藤美咲を抱きしめた。二人は恋人同士のように慣れた様子だった。

「可愛い子、昼間はどうして私のオフィスに来なかったの?」

「もう、本田社長、最近主人が疑い始めているから、慎重にならないと」

「でも君が恋しくて仕方がない。なんで結婚なんかしたんだ。前みたいに自由だったのに、誰にもバレなかったのに」

「でも私も家庭が欲しかったの。やっと良い人に巡り会えたから、逃したくなかったの!」

「でも僕は君が恋しいよ!」

「じゃあ、彼に残業をさせればいいじゃない。そうすれば私たちの時間が作れるでしょ」

社長は大笑いし、佐藤美咲の賢さを褒め称えた後、彼女を抱き上げて私たちの寝室に入った。壁には私たちの結婚写真がまだ飾ってあった。

まさか美咲がこんな女だったなんて、信じられなかった!