第8章

病院から帰って少し時間を潰していたら、もう夜の9時になっていた。

私はアパートのソファーでぼんやりしていると、突然ドアを激しくノックする音が聞こえた。

ドアを覗いてみたが、ドアスコープには何も見えなかった。

突然、外から声が聞こえた:「助けて、助けて」

従姉がドアスコープの前に立っていて、完全に視界を遮っていた。

何か様子がおかしいと感じた時、携帯が鳴った。

電話に出ると、従姉が中に入れてくれと懇願してきた。

彼女が藤原軍の度重なる不倫について家族に打ち明けたところ、叔母たちの考えが少し揺らいだという。

そして、その相手が彼女の元義理の弟で、叔母の養子である河村俊介だと暴露した時、叔母と叔父はすぐに不審に思い、従姉の離婚に同意したという。

藤原軍はそれを知って頭がおかしくなり、病院で枕を使って従姉を窒息させようとした。