第15章

高橋一郎が去った後、私は怒りで体が震えていた。

すると、吉田誠に抱き上げられ、

私の寝室へと向かっていった。

「何するの？」

「大人の女性がそんなこと聞く必要ある？」

「降ろして。」

「でも、さっき僕たちの関係を認めたじゃないか？」

吉田誠が私の耳を噛んだ。それは私の敏感な部分だった。

「本によると、失恋を乗り越える二番目に良い方法は新しい恋を始めることだって。」

「じゃあ、一番良い方法は？」

私は既に息が乱れていた。

「それは情熱的に愛し合うことさ。」

吉田誠の言葉は嘘ではなかった。まさに情熱的で心揺さぶられるものだった。

本来は朝食の約束だったのに。

気がつけば真昼になっていた。

私は再び力尽き、だるくて動く気にもなれなかった。

どうせ吉田誠は今や私の直属の上司だし、堂々と仕事をサボれる。