会社から急いできた河村隆一に強く抱きしめられ、彼の体が震えているのを感じることができた。
「陽子ちゃん、大丈夫だよね?」
こんなに大きな男なのに、目尻が赤くなっていた。
「大丈夫。」
傷は大きくなく、二針縫っただけだが見た目は衝撃的で、彼は傷の周りの肌を慎重に撫で、心配そうだった。
「妻よ、安心して。お前を傷つけた奴は絶対に許さない。」
私は宝物のように家に連れて帰られ、彼も会社に行かず、あちこち忙しく私の世話をしてくれた。
他のことは我慢できたが、夜のお風呂の時、彼も浴室についてきた。
「どういうつもり?」と私は詰問した。
「えーと...」
彼の耳が真っ赤になり、目を逸らした。
「手を怪我してるから、服を脱ぐのが不便なら、手伝えるよ。」
「ご親切にどうも、とても便利です。」