第11章

妹が堂々と男を連れて荘田昇の前に現れるとは思わなかった。

荘田昇は慣れているようで、特に気にする様子もなかった。

「お姉ちゃん、この頃どう?」

雪乃ちゃんは心配そうに私を見つめた。

荘田昇は私のもう片側を歩いていた。

「俺が面倒見てるんだから、心配することないだろう」

雪乃ちゃんは頷いて、荘田昇の方を見た。

「この人は私の友達のウィリアムよ。帰り道で会ったの。ホテルまで送ってくれればいいわ」

私は雪乃ちゃんと後部座席に座り、心配そうに尋ねた。

「どうして彼を連れてきたの?」

友達として紹介されても、二人の間の雰囲気は明らかに恋愛関係のものだった。

雪乃ちゃんは笑みを浮かべた。

「私と荘田昇の結婚は形だけのものよ。彼も分かってるから、お姉ちゃんは心配しないで」

「それより、お姉ちゃんと鈴木望はどうなってるの?」