妹が堂々と男を連れて荘田昇の前に現れるとは思わなかった。
荘田昇は慣れているようで、特に気にする様子もなかった。
「お姉ちゃん、この頃どう?」
雪乃ちゃんは心配そうに私を見つめた。
荘田昇は私のもう片側を歩いていた。
「俺が面倒見てるんだから、心配することないだろう」
雪乃ちゃんは頷いて、荘田昇の方を見た。
「この人は私の友達のウィリアムよ。帰り道で会ったの。ホテルまで送ってくれればいいわ」
私は雪乃ちゃんと後部座席に座り、心配そうに尋ねた。
「どうして彼を連れてきたの?」
友達として紹介されても、二人の間の雰囲気は明らかに恋愛関係のものだった。
雪乃ちゃんは笑みを浮かべた。
「私と荘田昇の結婚は形だけのものよ。彼も分かってるから、お姉ちゃんは心配しないで」
「それより、お姉ちゃんと鈴木望はどうなってるの?」