第38章 私の内容証明は、もう発送済みです!

「ゴホッ、ゴホゴホ……渡、渡辺社長?何かご用でしょうか?」岡山洋子はバナナを食べていたところ、顔を上げると渡辺大輔が険しい表情で目の前に立っているのを見て、バナナを喉に詰まらせそうになった。

「携帯を貸せ!」渡辺大輔は言った。

岡山洋子は彼が何をしようとしているのか分からなかったが、携帯を渡した。彼女は2台の携帯を持っており、1台は仕事用、もう1台は私用だったので、渡辺大輔に見られても全く心配はなかった。

渡辺大輔は電話を受け取り、野村香織の番号を探して発信した。7、8秒もしないうちに、電話の向こうから野村香織の声が聞こえてきた。「岡山秘書?」

野村香織の声を聞いた渡辺大輔の表情は一層険しくなり、何も言わずに電話を切り、岡山洋子を冷たく見つめながら携帯を投げ返した。「私が電話したとは言うな!」