第41章 自分への誕生日プレゼント

野村香織がお風呂から出たところで、斎藤雪子から電話がかかってきた。「野村社長、ブルーライトメディアの青木社長が、光文堂からの説明を求めています」

野村香織は冷たく言った。「光文堂の者から青木翔に直接伝えなさい。最大の投資家が拒否権を行使したと。それ以外の説明は必要ないわ」

電話を切ると、体が少し冷えてきたので、急いでまたお風呂に戻って温まった。

……

翌朝。

「ご主人様、お誕生日おめでとうございます!」起きたばかりの時、甘い声が響いた。

野村香織は軽く微笑んだ。小小に言われなければ、今日が自分の誕生日だということをすっかり忘れるところだった。そして、渡辺大輔という地獄から逃げ出して百二十日目でもある。きちんとお祝いしなければならない。

この二回の海外旅行で気分転換してから、旅行が大好きになった。若くして経済的自由を手に入れるのは本当に素晴らしい。世界はこんなにも広く、名所旧跡がたくさんある。恋愛や結婚に縛られる必要なんてない。今考えると、以前結婚に多くの心思と時間と労力を費やしていたなんて、まさに病気だったとしか思えない!