第93章 大仕事が降ってきたぞ

野村香織は抵抗しながら言った。「言わないなら、柴田貴史に来てもらって、直接聞いてもらうわよ」

柴田貴史の名前を聞いた小村明音は一瞬で萎縮し、野村香織は微笑んだ。この世の男女関係は、まるで豆腐に出会った調味料のように、相性が合うものなのだと。

富田玲香はもともと隠すつもりはなく、口を開いた。「実は、別に言えないことでもないんです。さっき綾美株式会社から電話があって、明音との契約更新をしないと通知されました」

野村香織は眉をひそめた。「綾美?私の記憶が正しければ、明音はずっと彼らの会社のフェイスマスクの代表を務めていたわよね?確か売上も悪くなかったはずだけど、どうして契約更新しないの?」

「岡山美央子のせいです。彼女は最優秀女優賞を獲得したばかりで、明音のリソースを奪い、さらにネット上で明音の悪評を広めています。それに岡山美央子は綾美の和国副社長と親しい関係にあるんです」