第125章 プロポーズ成功

「どういうことだ?なぜ杉村俊二のことまで出てくるんだ?」青木翔は困惑した。

実際、彼も最近になって、杉村俊二という親戚がいることを知ったばかりだった。知らなかったのも無理はない。杉村俊二は彼の叔母の養子で、血縁関係は全くなく、普段は海外で暮らしているため、知らなくて当然だった。

渡辺大輔は冷たく言った:「そんなに好奇心旺盛なら、記者にでもなったらどうだ?」

彼には青木翔にそんなに多くを説明する気はなく、きっぱりと言った:「10分後、もし俊二がまだそこにいたら、俺が直接ブルーライトメディアに行って、お前と清算する。」

「分かった、分かった。両耳でしっかり聞いたよ。安心しろ、必ず彼を連れ出して、お前の目障りにならないようにする」青木翔は呆れて言った。

電話を切ると、渡辺大輔は宴会場の入り口に戻った。中には入らず、入り口に立って中を見ていた。彼のこの様子に、警備員も追い払うわけにもいかず、ただ彼の好きにさせるしかなかった。

「イェーイ!おめでとう!」

「すごい、素晴らしすぎて、羨ましい。誰かが私にこんなプロポーズをしてくれたら、絶対に承諾するわ。」

「早く写真を撮って、この素敵な瞬間を記録しましょう。私たちは皆、証人なんですから。」

宴会場では、多くの人々が賑やかに話し合っていた。柴田貴史と小村明音を祝福するか、彼らの愛を羨むかのどちらかだった。

実は、渡辺大輔が青木翔と電話をしている間に、柴田貴史のプロポーズは成功していた。あちこちに隠れていたゲストたちも次々と姿を現し、一瞬にして花束や拍手が会場中に溢れた。

杉村俊二はちょうど野村香織の隣に立っていて、目の前の幸せそうなカップルを見たり、横で「おばさんスマイル」を浮かべている野村香織を見たりしていた。二人は近くに寄り添って、時々言葉を交わしていた。

「くそ、あいつが俺より優れているところなんてどこにある?なぜ俺にだけ冷たい顔をするんだ?」渡辺大輔は心の中で怒りを爆発させ、ポケットに入れた両手を強く握りしめた。

杉村俊二に対して非常に不快な気持ちを抱いていたが、どうすることもできず、ただ他人が元妻と話すのを目の当たりにするしかなかった。警備員は彼を見て笑い続け、その眼差しは明らかに警告を与えていた。