第170章 私は一生暇がない

相田珠美の言葉を聞いて、天満奈津子は嬉しそうに頷いた。ようやく自分の味方が現れたのだ。彼女は野村香織の言葉を全く信じていなかったし、父親が1000万円で買った回転心瓶が贋物だとは到底信じられなかった。

母娘が話をしている最中、一人の男が入ってきて、用件を説明した後、破片となった回転心瓶を袋に入れて鑑定に持って行った。天満春生が手配した人間なので、母娘は特に気にすることもなかった。

10分も経たないうちに、斎藤雪子はこの情報を入手し、会議の休憩時間を利用して、天満春生が再鑑定を依頼したことを野村香織に伝えた。

野村香織は冷笑した。「天満家の方々にも賢い人がいるようね。もっと長く待たされると思っていたわ」

斎藤雪子は「はい、彼らがこのような行動を取るとは意外でした。天満家の方々らしくないですね」と言った。