第227章 面目を失う

小林弘も表情を凍らせた。野村香織を見てから彼女の美しさに魅了されていたが、突然警察が来たと聞いて我に返った。小林お爺さんがまだ立ち去ろうとしないのを見て、彼は注意を促した。「お父さん、とりあえず帰りましょう。警察と鉢合わせになったら、この件は大ごとになってしまいます。寺は逃げても坊主は逃げられないように、彼女たちを懲らしめる時間はいくらでもありますから」

小林お爺さんは小林弘と夏川静香がしたことを知らなかった。彼は体面だけを気にする人で、今日小林家でこんな大きな恥を晒したので、自ら来て穏便に済ませようとしたのだが、野村香織が予想通りに動かず、強硬にも懐柔にも応じなかった。

今や警察まで巻き込んでしまった。奉天市の名門として、官界でも裏社会でも小林家の知り合いがいないところはなく、警察が知れば全員が知ることになる。そうなれば武田家の面子はどうなるのか?