ここはサーバールームだ。私は少し疑わしげに吉野こころを見て、これが試されているのかどうか判断できなかった。
「どの二台を使うのがいいと思う?」吉野こころは嬉しそうに言った。
私の視線が突然、隅にあるパソコンに引き寄せられた。
そのパソコンではビデオが繰り返し再生されていて、その中の人物は私だった。
それは加藤真凜と私が倉庫に誘拐された時のことで、加藤真凜が怪我をしたため、私は突然暴れ出し、鉄パイプを引きずりながら目の前の人に必死に振り下ろし、一人を倒してから次の人を追いかけ、何かに取り憑かれたようだった。
自分にこんな血なまぐさい暴力的な一面があるとは知らなかったので、思わず目を見開いた。
加藤律と叔父さんが来た。
叔父さんの言った通り、彼は確かに必死に戦いに加わっていた。不良グループ四人組も一緒だった。
私の視線は加藤律に落ちた。
彼は両手で私の頭を支え、私の目線と彼の目線を合わせ、軽く揺さぶりながら「南野星!南野星!」と呼んでいた。
「彼はあなたをとても愛しているわ!」吉野こころが突然言った。
私は手を伸ばして画面の加藤律の顔に触れようとした。「そうね!」
私は淡々と言った。
加藤律の私への感情を、私は一度も疑ったことがなかった。
「でも今は、月島凛と一緒にいるわ」吉野こころは静かに言った。
私は驚いて横を向き、吉野こころを見た。
吉野こころはマウスを取って軽くクリックし、いくつかの高画質の写真を表示した。
どの写真も、月島凛と加藤律が写っていた。
月島凛の目には崇拝と喜びが満ちていた。
私は無表情な加藤律の顔に指を滑らせながら、淡々と吉野こころに尋ねた。「何が言いたいの?」
吉野こころは慌てて言った。「南野星、誤解しないで。私はただ彼が二股をかけているんじゃないかと心配で、あなたが気づかないまま騙されるのが怖いの。」
私は少し笑って、彼女を見る気もなく言った。「噂話を広めるのも技術がいるものよ。行動する前に、まず論理を整理して、穴がないようにしないと。」
吉野こころは傷ついた様子で横に立ち、私が彼女を見ないのを見て、おずおずと言った。「南野星、私のこと嫌い?私、私は本当に他意はないの。ただ堂本希から聞いたから、あなたに、あなたに、少し注意してほしいと思って。」