第148章 救出

月島糸はいつも慌てない様子をしていた。

「南野星、何があったの?」

警備員とフロントの女性が安堵の表情を見せるのを見て、彼と時田家の関係が並々ならぬものだと理解した。私は冷たい声で言った。「六旦那、すみませんが、時田徹也を見つけなければなりません。彼が私の親友の加藤真凜を誘拐したんです。彼は無事に彼女を返さなければなりません。さもなければ、私は彼と徹底的に戦います!」

月島糸の表情が厳しくなり、フロントに尋ねた。「徹也若旦那はどこだ?」

フロントの女性は慌てて首を振った。「徹也若旦那は今日ここにはいません!」

私は彼女を睨みつけた。「彼の部屋番号を教えて!」

月島糸はフロントに命じた。「南野星さまに教えなさい!」

フロントの女性は震えながら部屋番号を告げ、私はすぐにエレベーターに向かった。白川浅里と白川晴がすぐに後に続いた。