第185章 南野家

世論は加藤蓮には影響がなく、ただプレイボーイという評判が立っただけだが、南野陽太にはそれほど優しくはなかった。

南野陽太はずっと良家のお嬢様、いい子というイメージを作り上げてきたが、今や何になったのか?

常に彼女が加藤蓮に尽くしてきたにもかかわらず、彼女も木村美雨も、外部に対して加藤家の若旦那が南野お嬢様に一目惚れしたと思わせようと必死だった。私と加藤蓮の婚約が解消された時でさえ、彼女たちは加藤蓮が南野陽太を何年も恋い慕い、最終的に自分の心に従って妹を諦めて姉を選んだと外部に盛んに吹聴し、姉が妹よりもはるかに優れていることを証明しようとした。

そして今、当時どれだけ面目を施したかと同じくらい、今は面目を潰されている。

私が南野家に着いた時、南野家は暗い雲に覆われていた。