第374章 助けを求める

私の心に突然不吉な予感が湧き上がり、真凜と絵麻を見た。私たち三人は一斉に全力で走り出した。

病院の下の芝生に、南野陽太が無言で横たわっていた。病院着の下には、目を背けたくなるような鮮血の跡が広がっていた。

医師、看護師、そして警備員、警察が次々とやってきた。

南野陽太は運ばれ、現場は写真撮影の後、すぐに片付けられた。

結局は病院という公共の場所であり、ここは特定の誰かのものではない。その人がどれほど生前に華やかだったか、あるいはどれほど悲惨だったかに関わらず、痕跡は最も早い速度で綺麗に片付けられ、まるで何も起こらなかったかのようになる。

結局、まだ多くの人々が生きていかなければならないのだから。

一個人の死は、他の個人にとって、それほど大きな意味を持たない。

私は南野陽太が好きではなかった。それは彼女自身も知っている事実だった。