第379章 手帳

南野陽太の手帳を開く。

ページごとに加藤蓮と鈴木千代への告発が書かれている。

私は思わず冷笑した。加藤蓮のどの面を下げて、私に彼らと一緒に責任を負わせようとしているのか。

南野陽太は妊娠期間中の状況を細かく記録していた。母親になる喜びがあり、また深い悲しみと淡い絶望も漂わせていて、読むと自然と哀れみの気持ちが湧いてくる。

私たち三人は頭を寄せ合って、とても速いペースで半分以上を読み進めた。

麦田絵麻が言った。「理屈から言えば、南野陽太のような人が産後うつになるとは思えないわ。彼女はこの子をとても愛していたし、加藤蓮にも感情を持っていた。いつか加藤蓮が心変わりして自分のもとに戻ってくることを願っていたのに、そんな人がどうして自殺を選ぶことができるの?」

私は黙っていた。