第383章 リソース

私は彼女たち二人を見て、微笑んだ。「あなたたちが知っておくべきことは、話せば話すほど間違いも多くなるということよ。加藤蓮が必死に鈴木千代の潔白を証明しようとしているのは、私たちにとってチャンスかもしれないわね?」

二人の目が一瞬で輝いた。

私たちは意味ありげに微笑み合った。

南野陽太の手帳はあれほど長々と書かれていたのに、実際には役立つ情報はほとんどなく、糸をほぐすように解析しても、ほんのわずかな情報しか得られなかった。

蘭伯母さんが言ったように、生きているときは駒、死んでからは道具、彼女のために嘆息する気持ちさえ湧かない。

私は白川浅里に電話をかけ、病院の介護スタッフの中から人を手配して、あの子を守るよう頼み、また加藤家の内通者と連絡を取り、彼らがその子をどう扱うか常に監視するようにした。

できることはこれだけだった。この子は生まれた時から不運続きで、それはどうしようもないことだった。

もう一つの件は、南野陽太が繰り返し言及していた、あの時の誘拐事件だ。

南野陽太が恨みを持って加藤蓮に罪をなすりつけている可能性は排除できない。

しかし、南野陽太がただの風評を追いかけているとも思えない。いくつかの状況は合致しないはずだ。私には記憶がないが、加藤律と山崎浩介は異なる視点から当時の状況を私に話してくれた。傍観者の立場から見ると、私はかえってそれらの細部をより明確に見ることができる。

私はこの件が加藤家の叔父たちに関係していると考えている。

しかし、当時彼らが雇った誘拐犯や殺し屋はどうなったのか?叔父さんに全員殺されたのか?それとも逃げ延びた者がいるのか?

誰もこの問題について話したことがない。

私は自分で調査することにした。

私には龍門、炎獄会、空都の三つの組織のリソースがある。当時の誘拐犯がまだこの世にいるなら、必ず見つけられるはずだ。

この件は私一人で進め、加藤真凜や麦田絵麻には関わらせず、叔父さんや加藤律にも伝えるつもりはない。

最近、月島糸を筆頭とする「三魔」のグループ企業と叔父さん、加藤律たちは激しいビジネス戦争を繰り広げている。彼らの気を散らすようなことはもうできない。

目の前のコンピューターのデータベースを見ながら、どこから手をつければいいのか分からない感覚に襲われた。