第410章 安全

私たちは高橋隆の車に乗って、別の安全な場所に到着した。

ここには迎えの人がいた。

すぐに誰かが来て私たちの怪我を調べた。

高橋隆は言った：「心配するな、みんな味方だ。」

私はうなずいた：「炎獄会に裏切り者がいたのね？」

高橋隆は重々しくうなずいた：「ああ、七旦那様はおそらく最初からそれを感じ取っていたんだ。だから全体の沈黙を命じた。こういう時は、焦る者が先に飛び出してくる。内通者を見つけるのが簡単になるんだ。」

私は苦笑いした：「でも、あなたの命が危なかったじゃない！」

私は鼻が詰まる感じがした：「もう戻ってこないかと思った。」

高橋隆は苦しそうに笑い、私の肩を叩いた：「南野星、よくやった。お前が機転を利かせなかったら、お前とじいさんは危なかったぞ。」

私はうなずいた：「彼らは私たちを捕まえに来たんじゃなくて、口封じに来たのよ。」

加藤祖父は傍らに座り、誰かが彼の傷の手当てをしていた。彼はしばらく言いよどんだ後、ようやく口を開いた：「南野星、どうやってあの人たちが裏切り者だと判断したんだ？」

私は肩をすくめた：「直感よ。」

じいさんは途方に暮れた顔をした。

私はそれから言った：「今の状況では、彼らが私を迎えに来るなら、できるだけ静かにするはずよ。あんなに大勢で来るのは、迎えに来たわけじゃない。それに、なぜ私が外に出るとき何も聞かずに人を斬りつけたのかも知りたいでしょ？それは炎獄会の人は皆私を知っているはず。彼らが私を見たら、最初にすることは挨拶のはずで、電話をかけることじゃないわ。」

じいさんは黙って、うなずいた。

私も彼がどういう意味でうなずいたのか気にする余裕はなく、高橋隆に言った：「加藤真凜と連絡が取れたわ。麦田絵麻は怪我をして、彼女たちは国に帰るの。叔父さんがもう私たちを助けに来てるわ。」

高橋隆は長く息を吐いた。

本当に雨漏りの家に夜通しの雨だわ。加藤律の行方は分からず、炎獄会にも裏切り者がいて、こっちではまだ誘拐劇が続いている。私は思わずため息をついた。