第433章 由来

「でも何?林詩乃さん?でも何?」私は思わず緊張してきた。

林詩乃はまたため息をついた。「南野星、勿忘草は単なる薬ではないの。薬と毒以外に、とても邪悪なものが含まれているから、医学だけでは解決できないのよ。」

「邪悪なもの?それは何?」私は理解できなかった。

「——、毒を仕掛けた者の血よ。」林詩乃の声はやや緊張していた。

「それは、どういう意味?」私は途方に暮れた。

林詩乃は少し間を置いた。「南野星、毒を仕掛けた者の血が薬剤に溶け込むことで、中毒者がその毒を仕掛けた者から一定の距離を離れると発作が起きるの。この毒は元々、熱帯雨林の原始部族で、女性が男性を引き留めるために発明されたものよ。後に外部に流出したけど、極道の中でさえ、使う人はほとんどいないわ。一つは薬が手に入りにくいこと、もう一つは人々に軽蔑されることだから。だから勿忘草は伝説に過ぎなくて、私も偶然見かけただけなの。」