十数時間の旅の間、私は少しも寂しくなかった。
堂本澪は退屈しのぎになる人だからだ。彼女が私の言葉で顔を真っ赤にするのを見るのは楽しい。これは彼女への報いで、これからもっと気持ちいい報いが待っている。
私はわざと加藤お爺さんと叔父さんと同じ飛行機に乗らなかった。彼らに私のこんな意地悪な一面を見せたくなかったからだ。加藤律については、正直に向き合い、隠し事はしないことにした。
飛行機の狭い空間で何が起きたか、加藤律はもちろん全て知っている。彼は私のいたずらを許し、止めることもなく、かといって褒めることもなく、受け入れる姿勢を示した。
もちろん、私は人をイラつかせることだけをしているわけではない。
おっちゃんは私に彼の祖母の来歴を教えてくれた。
祖母は実の祖母ではなく、おっちゃんの母の養母だった。