第441章 祖母

十数時間の旅の間、私は少しも寂しくなかった。

堂本澪は退屈しのぎになる人だからだ。彼女が私の言葉で顔を真っ赤にするのを見るのは楽しい。これは彼女への報いで、これからもっと気持ちいい報いが待っている。

私はわざと加藤お爺さんと叔父さんと同じ飛行機に乗らなかった。彼らに私のこんな意地悪な一面を見せたくなかったからだ。加藤律については、正直に向き合い、隠し事はしないことにした。

飛行機の狭い空間で何が起きたか、加藤律はもちろん全て知っている。彼は私のいたずらを許し、止めることもなく、かといって褒めることもなく、受け入れる姿勢を示した。

もちろん、私は人をイラつかせることだけをしているわけではない。

おっちゃんは私に彼の祖母の来歴を教えてくれた。

祖母は実の祖母ではなく、おっちゃんの母の養母だった。

彼女は混血の美人で、国内に連れてこられ、極道のボスの愛人になった。そのボスが死んだ後、養子に家から追い出され、日雇い仕事で生計を立てていた。そして家のない少女を拾い、優しく引き取った。

血のつながりのない二人は寄り添って日々を過ごした。幸い、国内の生活環境はそれほど悪くなく、政府の援助を受けながら、彼らはなんとか生活を維持し、おっちゃんのお母さんも結婚して子供を産み、平穏に暮らしていた。

ところが、十数年後、その養子が訪ねてきて、しつこく嫌がらせをするようになった。祖母が呪術を知っていて秘薬を作れると言い張ったのだ。祖母はそれを認めず応じなかったが、養子はしょっちゅう騒ぎに来た。おっちゃんの父親は実直な人で、祖母と一緒に引っ越したが、それが養子の怒りを買い、おっちゃんを捕まえて脅した。おっちゃんの両親は祖母がそんなことをするはずがないと信じ、必死に懇願したが、養子の手下に誤って殺されてしまった。

それ以来、祖母は精神を病み、いつも自分が二人の子供を害したと責め続けた。おっちゃんは打撃を受け、大学入試に失敗し、祖母の世話をするために再受験もしなかった。

彼は復讐を誓い、その養子の組織に潜り込んで子分になった——