第477章 離れる

出発する時、月島糸からの連絡を待っていたが来なかった。

叔父さん、山崎浩介、麦田絵麻、加藤真凜が見送りに来て、その後ろには目を赤くした不良グループ四人組が立っていた。

おじいさんと蘭伯母さんたちには告げなかった。別れの悲しみを増やすだけで、彼らを悲しませたくなかった。

私は皆と一人ずつ抱き合って別れを告げた。

私は白川浅里、白川晴、おっちゃんだけを連れて行った。マギーは私の客人で、彼女は自分の「容器」である堂本澪と、頭から足まで覆う黒いマントを持っていた。

これからは、世界を放浪することになる。

たぶん三年、あるいは——

一生かもしれない。

窓の外が白い雲でいっぱいになるまで、私はようやく泣き出した。泣き疲れて、眠りについた。

夢の中ではずっと走っていた。とても疲れるほど走り続け、前方に一筋の光が見えた。私はその光を追いかけ、止まることなく走り続けた。夢の中でも楽しくはなかったが、あえて考えないようにして、ただ前へ前へと走り続けた。

疲れ果てるほどに。

「こんなに落ち着かない眠りなら、起こした方がいいんじゃない?」白川晴の声だった。

「彼女はずっとちゃんと眠れていないのよ。毎晩、人が静まる頃に七旦那様の部屋に行って見守っていたんだから。眠らせてあげましょう。」白川浅里の声はいつも優しい。彼女がダークウェブで上位にランクされる殺し屋だなんて、誰が思うだろう?

「ああ!これからは南野星の前で七旦那様の話はしない方がいいのかな?」白川晴は少し心配そうだった。

「言わなくていいなら、なるべく言わないようにしましょう。彼女を悲しませないで、まずは自分で気持ちを落ち着かせる時間を与えてあげて。七旦那様のことは四旦那がいるから、ゆっくり進めましょう。あなたは南野星に楽しいことをたくさん見つけさせて、気を紛らわせてあげて。それと、他の人たちには注意しておいて、白川晴、わかる?」

「わかってる、わかってる。」白川晴は素直に答えた。

二人は私のことをきちんと計画していた。

彼女たちが警戒している人物は、マギーと堂本澪だ。私について来ているが、白川浅里は常に心を砕いていた。

私の周りの人たちは皆、無私の心で私のために尽くしてくれている。私にどんな徳があって、彼らにこんなに愛されているのだろう?白川浅里や白川晴のように、月島糸のように。