第510章 船上

「どうしたんだ!」平野晴人が大股で入ってきた、全身に火薬の匂いを漂わせながら。

皆が私を一瞥した後、急いでそれぞれの仕事に戻った。

「お嬢様?」平野晴人が私を見た。

私はモニター画面を指さして平野晴人に見せた。

海面の火はもう消えかけていて、あちこちに破壊された残骸が浮かんでいた。

平野晴人も大いに驚いた。

「おじさん、船に乗ったわ」私はすすり泣きながら平野晴人に告げた。

平野晴人の顔色は極限まで悪くなった。

「平野隊長、こちらは終了しました」

「平野隊長、こちらも完了しました」

報告に来る者がいた。

平野晴人は手を振った。「すぐに撤退、電源を切れ、第五班は残って、全員が離れた後に爆破しろ」

それから彼は優しい声で私に言った。「お嬢様、私についてきて」

そして振り返ることなく走り出した。