やっと興奮した半夏をなだめて、送り出して、ようやく一息つくことができた。
パソコンを手に取り、作業を始めた。
まず別荘の監視システムに侵入して一通り確認し、メインコントロール部分を見つけた。
監視システムはかなり古く、牧野森とデイジーがこういったものに詳しくないことがわかる。設備はおそらく私の両親の時代に残されたものだろう。
平野晴人は腕力は高いが、パソコン関連は半夏と同レベルだろう。彼は別荘のセキュリティを担当しているが、ネットワーク監視については特に力を入れていないようだ。
ノックの音がして、画面を切り替えた。
デイジーが薄い色のスーツを着た男性を連れてきた。私は少し驚いた。この人は前に来た医者ではない。
デイジーが言った。「お嬢様、うちのかかりつけ医が交通事故に遭ったので、今日は彼の同僚に代わりに診察してもらいます」