第541章 友達

「彼に会いに行ってもいいですか?」私は慎重にお願いした。

林詩乃の目が輝いた。「もちろん!彼に会いに行きたいの?」

私はうなずいた。「はい、行きたいです。」

林詩乃は興奮して手をこすり合わせた。「それは素晴らしい!本当に素晴らしい!ああ!加藤律のやつ、私にあなたに言うなと、あなたに彼に会いに行ってほしいという願いを伝えるなと言ったんだ。でも今回は私が言い出したんじゃなくて、あなたが自分から言い出したんだよね、南野星?」

彼の反応は少し奇妙に思えたが、私は協力的にうなずいた。「はい。」

それから気づいた。「彼は、私に会ってほしくないの?」

「いやいやいや!」林詩乃は慌てて手を振った。

「彼はもちろんあなたに会いたくてたまらないんだ。でもあなたたちの間には、あなたたちの間には——、まずあなたが彼に会う意思を示さないといけないんだ。」林詩乃は一歩飛ばして、曖昧に言った。

「どうして?」私は理解できずに尋ねた。

「どうして私が会いたいと言わないと、会えないの?」

林詩乃は頭をかいた。「詳しくは私もわからないんだ。とにかく、もしあなたが望まなければ、加藤律はあなたに会えないんだ。」

私は首をかしげて考えたが、理由はわからなかった。

ただ、加藤律は少し気取りすぎだと思った!

月島糸とは違って。彼は私に会いたければ、自分でやって来た。彼が来たからといって、私が彼を追い出せるわけじゃない。

月島糸のことを思い出して、私は林詩乃に尋ねた。「林先生は月島糸を知っていますか?」

林詩乃は明らかに一瞬固まり、笑顔が消えた。うなずいて「知っているけど、親しくはないよ」と言った。

「彼と加藤律は?」

「彼らは?まあ親しいと言えるかな——、南野星、月島糸が——、あなたを訪ねてきたの?」林詩乃はためらいながら尋ねた。

私は正直にうなずいた。「彼が家に来て私を見て、とても喜んでいました。彼は私のために刃を受けたことがあると言っていました。私の命を救ったはずなのに、私は何も覚えていません。あなたはこのことを知っていますか?」

私は林詩乃が今の私が信頼できる数少ない人の一人だと思っていた。誰の言葉も慎重に受け止めるけれど、人柄は時に直感で感じ取れるものだ。

私は彼を信じている。