076 招待状

店員は残念そうに首を振って言った。「申し訳ありません、お嬢様。S.F.さんは自分の体型サイズに合わせて一着だけデザインしたんです。」

水野月奈は最初、こんなに小柄な骨格の人がいるはずがないと文句を言おうとしたが、店員の言葉を聞いて、その言葉を飲み込むしかなかった。ただ、表情はあまり良くなかった。

桜井蓮は慰めるように水野月奈の頭を撫でながら尋ねた。「サイズの変更はできないんですか?」

店員は答えた。「できません。このウェディングドレスの一枚一枚のスカートパーツは、S.F.様が高度な技術で手縫いで縫い付けたものです。もし解体してしまうと、元通りに戻すことができません。」

水野月奈は心の中で納得がいかなかったが、受け入れるしかなく、新しいウェディングドレスを選び直した。このドレスも綺麗だったが、店の目玉商品と比べると、見劣りしてしまうのは否めなかった。