042 何を取り繕っているの

蘇我紬は目を見開いて、信じられない様子で影山瑛志を見つめていた。まさか彼の口からこんな言葉が出てくるとは思いもしなかった!

「私は被害者よ、わかる?」

影山瑛志は冷ややかな目で彼女を一瞥し、眉をしかめながら言った。「言っただろう。全て調べる。それまでは、余計な推測は控えろ。これは単なる色欲による事件かもしれない。結局、お前の顔がどんなものか、一番よく知っているのはお前自身だろう」

蘇我紬は軽く嘲笑い、何か言おうとした。

しかし影山瑛志はその言葉を言い終えるや否や、そそくさと立ち去ってしまった。慌ただしく、いらだたしげで、蘇我紬との会話を続ける気は全くないようだった。

それは間違いなく蘇我紬の気分をより憂鬱にさせた。

彼女は強く目を閉じた。頭の中は今の影山瑛志のことでいっぱいで、脳みそが爆発しそうだった。内側から熱が湧き上がってきて、彼女は布団をめくり、自分の脚を露出させた。

涼しい空気に触れて、ほっと一息ついた。心も少しずつ落ち着いてきた。

彼女の体はまだ調子が戻っておらず、全身がふわふわしていた。ただこうして純粋に横たわっているだけなら、プレッシャーも心配もなく、むしろ心地よかった。彼女は必死でそれらのことを考えないようにした。

...

影山瑛志は浴室に入った。最初は温水でシャワーを浴びていたが、途中で冷水に切り替えた。しかしそれでも彼の欲望は収まらなかった。ちょっと考えただけで、問題がどこにあるのかわかった。

外では全く水を飲んでいなかった。コップは部屋の中に置いていたはずだ。つまりあの水は...

久世澪の反応を思い出し、影山瑛志は全てを理解した。

彼はため息をついた。先ほど蘇我紬の容姿について言及した直後、明らかに自分の体に変化を感じ、おかしいと気づいてすぐにシャワーを浴びに来たのだが、まさか本当にこうなるとは...

冷水が効果的だったらよかったのに。

バスローブを着て出てきた影山瑛志は、歩き方さえも少し不安定になっていた。部屋に戻ると、蘇我紬の白くなめらかな両脚が、薄暗いベッドサイドランプの下で言いようのない色合いを帯び、心を揺さぶられるような光景が目に入った。

影山瑛志は無理やり目を閉じた。蘇我紬の体つきがどれほど素晴らしいか、彼は十分承知していた。