影山瑛志が言ったのは、彼女が今回制御を失った件についてだった。
蘇我紬はそれを聞いても、表情は淡々としており、特に反応を示さなかった。今は何にもやる気が起きず、ただこうして静かに横たわっていたいだけで、何もしたくなかった。
当然、影山瑛志とこれ以上話したくもなかった。
しかし影山瑛志はそれに気付いていないようで、むしろ蘇我紬があまりにも具合が悪くて彼の相手をする余裕がないのだと思っていた。確かに、身体的な苦痛は相当なものだったから。
特に蘇我紬が何度も発作を起こすのを目の当たりにして、影山瑛志も胸が痛んでいた。
仕事どころではなかった。
蘇我紬はその後も影山瑛志のぶつぶつと続く話を聞かされたが、最終的に彼女が目を閉じると静かになった。
そうしてようやく安らかに眠りについた。