第81章:老人すらも見逃さない

「いいですよ!」藤原親父は願ってもないことだった。

彼は時田浅子が自分で選びたくないと思っていたから、自分で決めたのだ。

店員がまた近づいてきた。

「お二人様、ミルクティーのご用意ができました。どうぞごゆっくりお召し上がりください」店員は二杯のミルクティーを持ってきた。

彼女はミルクティーをテーブルに置いた。

「他のデザインを選んでいるところですので、少々お待ちください。すぐに準備いたします」

「宝石やダイヤモンドを選ぶ必要はありません。私は好きではないので、金を買いたいです」時田浅子は直接言った。

「あ、はい、かしこまりました」店員は気まずそうに頷いた。「金のアクセサリーも取り扱っております」

「アクセサリーではなく、加工費がかかるので割に合いません。金の延べ棒など、グラム単位で計算されるものでいいです」

時田浅子は目標が明確だった。

これらを買えば、価値が下がることはない。

「かしこまりました。少々お待ちください」店員はすぐに下がった。

しばらくすると、二人の店員が何皿もの金の延べ棒を持って入ってきて、それらを並べると、びっしりと並んでいた。

時田浅子:……

こんなにたくさん持ってくる必要があるの?

キロ単位で量るつもり?

これらの金の延べ棒を見て、彼女は自分が偽の密集恐怖症、あるいは選択的な密集恐怖症を持っているに違いないと感じた。

なぜなら、これらのものを見ても、彼女は全く不快感を感じなかったから。

時田浅子はその中から一つを取り、「これ一つだけにします」と言った。

藤原親父は同意せず、すぐに一皿を指さして、「これ全部包んでください」と言った。

時田浅子:……

彼女は確認してみると、一つの金の延べ棒は116.64グラムだった。

この一皿には少なくとも20個はある!

金の価格をもう一度見た。

100万円を超えている!

店員は藤原親父の手からカードを受け取り、急いで準備に行った。

時田浅子はミルクティーを一口飲んだ。

彼女は驚きを抑える必要があった。

藤原親父も一口飲んだが、すぐに眉をひそめた。

「美味しくないな。これがミルクティーの味なのか」

時田浅子も甘すぎて、くどいと感じた。

「お爺さん、もう飲まないでおきましょう。家に帰ったら私が作ってあげます」