第85章:腸が青くなるほど後悔した

「いいえ!彼はまだあなたを愛しているわ!変なことを考えないで、お父さんは病気なんでしょう?ここから帰ったら、毎日彼のそばにいて、しっかり面倒を見るのよ、わかった?」

「お母さん、安心して。私はどうすればいいか分かってるわ」林清子はうなずいた。

斉藤愛梨はこの点については心配していなかった。

結局は自分が育てた娘だ。もしこれくらいの人心を掴む手段がなければ、育てた意味がない!

「お母さん、もう一つあなたが想像もできないことがあるわ。私たちが時田浅子を植物人間と結婚させるよう仕組んだでしょう?その植物人間が目を覚ましたの!しかも貧乏な家柄じゃなかったわ!」

「どうしてそれを知ったの?」

「この目で見たのよ!その植物人間のおじいさんが時田浅子と買い物に行って、高級品を好きなだけ買って、それに大きな袋一杯の金の延べ棒まで買ったわ!」

斉藤愛梨はこんなに長く拘留されて、心の中ではとっくに疑念を抱いていた。

彼女だけでなく、伊藤実里も失敗した!

林聡明にはまだ対処する方法がない。

彼女は考えていた、誰かが圧力をかけているのではないかと。

林聡明でさえ対処できない人物とは、一体どんな身分や地位なのだろう!

もし、本当に藤原家の人が時田浅子を助けているなら。

そうなると、藤原家は本当に、帝都のあの藤原家かもしれない!

彼女は本当に腸が悔しさで青くなった!

もし早くから清子をそこに嫁がせていれば、たとえあの植物人間が目覚めなくても、尽きることのない栄華を享受できたのに!

彼女も寄生植物のように林聡明に縋る必要もなかった!

今さら何を言っても無駄だ!

もう手遅れだ!

「覚えておきなさい、時田浅子に関わらないこと!できるだけ彼女を避けるのよ、わかった?」斉藤愛梨は厳しく言い渡した。

「うん」林清子は承諾したものの、心の中ではまだ納得がいかなかった。

宮本凪の冷たい態度を思い出すと、時田浅子を殺してやりたいほどだった!

「お母さん、お父さんに何か言いたいことはある?彼は今病院にいて、あなたに会いに来ることができないわ」

斉藤愛梨は深く息を吸った。「帰り道に、野の花を一束摘んできなさい」

「それだけ?何も言わないの?」

「そう、それだけよ」

林清子は斉藤愛梨の言う通りに、道端で適当に野の花を一束摘み、病院に向かった。