第125章:これはどんなスタイル、とても風変わりね

時田浅子はハッとした。

藤原時央はその隙に毛布を引き戻し、再び足にかけた。

彼がそう言った以上、彼女もこれ以上取り合うわけにはいかなかった。

今日、この毛布は藤原時央にとって格別に心地よかった。

この毛布からは時々、かすかな香りが漂ってきた。

その香りは、時田浅子の身につけているものと全く同じだった。

彼はこのような柔らかいものに抵抗できず、むしろ執着さえ感じていたが、すべてのものに愛着を持つわけではなかった。

この毛布は、彼にとって当分手放せないものになっていた。

その理由は、彼自身にもわからなかった。

老人の病室に戻る道中、藤原時央はずっと、どうやってこの毛布を手元に残せるかを考えていた。

時田浅子と藤原時央が一緒に時田秋染を見舞いに行ったことで、最も緊張していたのはお爺さんだった。

「大木嵐、藤原時央のやつ、義理の母親を怒らせたりしないだろうか?知っていれば、彼を行かせなければよかった。こうして心配しなくて済んだのに」とお爺さんは言って、ため息をついた。

「お父さん、その質問にどう答えればいいの?」大木嵐も自信がなかった。

突然、ドアが開き、時田浅子が藤原時央の車椅子を押して入ってきた。

お爺さんと大木嵐は同時に二人の方を見た。

藤原時央の足にはピンク色の小さな毛布がかけられていて、二人は驚いた!

これはどういうスタイル?

なかなか風変わりじゃないか!

この毛布は行く時にはなかったのに、帰ってきたらあった。きっと浅子のお母さんがくれたんだろう?

この様子では、彼らが心配していたようなことは起きなかったようだ。

義理の母親は新しい婿に満足しているようだ。

お爺さんと大木嵐は密かにほっとした。

「浅子、お母さんに会えたのか?彼女は元気か?」お爺さんは笑顔で尋ねた。

「最近は体調がずいぶん良くなっています」時田浅子は優しく答えた。

「それは良かった」お爺さんはうなずいた。「浅子、時央、先に帰りなさい。私は明日には退院できるかもしれない」

「わかりました」藤原時央は返事をした。

時田浅子と藤原時央は藤原家の本邸に戻った。

二人が気づいたのは、本邸には誰もいないということだった。

家政婦さえいなかった。

しかし、時田浅子はあまり気にしなかった。おそらく、皆何かで忙しいのだろう。