第185章:一撃必殺

しかし、午前中が過ぎても、時田浅子のアカウントには何の動きもなかった。

これで、ネットユーザーは忍耐を失った。

様々な罵詈雑言が押し寄せてきた!

この時、時田浅子は大川先生のオフィスにいた。

彼女はすでにネット上の録音を聞いていた。その録音は明らかに加工されたものだった。彼女はこの件が山田奈々と関係していることも知っていた。

「ネット上の録音を聞いたか?」大川先生が時田浅子に尋ねた。

「聞きました」時田浅子はうなずいた。

時田浅子の反応があまりにも冷静だったので、大川先生は少し驚いた。

「ごめんなさい、浅子さん。あの時、私が山田奈々に謝るように言わなければ、この録音はなかったはず。あなたもこのような誤解を背負って、弁明できない状況にはならなかった」

「大川先生、これはあなたのせいではありません!山田奈々はいつも学校にいないのに、突然食堂に現れたのは、さらに不自然です。私が思うに、これは彼女が仕掛けた罠で、防ぎようがなかったのです」

大川先生はうなずいた。

「ただ、彼女がなぜそこまで手間をかけて私を標的にするのか理解できません」

「彼女がそこまであなたを狙うのは、おそらく『天籟の饗宴』第二回の番組収録のためでしょう」

時田浅子は疑問に思いながら大川先生を見た。

「『天籟の饗宴』第二回のゲストはまだ二枠決まっていなくて、私があなたを推薦したんです。番組側はまだ最終決定していないので、ずっと言わずにいました。最終的に決まってから、あなたに話そうと思っていたの」

時田浅子はようやく理解した。山田奈々は彼女が『天籟の饗宴』に参加することを望んでいないのだ。

番組側が彼女を参加させたいと思っても、彼女のネガティブなイメージを考慮して諦めるかもしれない。

「大川先生、弁護士の知り合いはいますか?」時田浅子は突然大川先生に尋ねた。

「弁護士の友人ならいるけど、法的手段を取りたいの?」

「はい」時田浅子はうなずいた。

「応援するわ!私も個人的に、目撃証人になれる人がいないか探してみるわ」

「大川先生、ご面倒をおかけしなくても大丈夫です。私は証拠を持っています」

「証拠があるの?」大川先生は驚いた表情を見せた。

「たまたま誰かがその時の様子を撮影していて、そのビデオを私に送ってくれたんです」

「なぜもっと早く出さなかったの?」