時田浅子はやはり学生で、まだ社会の厳しさを知らず、考え方が純粋だった。
こんな大きな事件が起きたのに、電話一本で慰めれば解決できると思っているのか?
彼女は彼に頼むことができないのか?
彼女が口を開きさえすれば、一時間もかからずにこの問題は収まるだろう。
山田奈々という女は二度と公衆の目に触れることはないだろう!
時田浅子はまだ柳裕亮と電話で話していた。
「動画が公開されれば真実が明らかになって、問題ないよ。あまり心配しないで。何か手伝えることがあったら、いつでも連絡してね」
「わかった、ありがとう」時田浅子は電話を切り、藤原時央の方を向いた。
彼はまだ帰っておらず、探していたものも見つかっていなかった。
「藤原若旦那、何を探しているの?手伝おうか?」時田浅子は彼に近づいた。