第248章:何でも彼女に関連付けられる!

午後三時過ぎ、時田浅子と江川湊の二人が声の収録をしていた。

外に置いてあった江川湊の携帯電話が、鳴り止まなかった。

華さんは仕方なく一時停止し、江川湊に電話を取るよう合図した。

時田浅子も江川湊について外に出た。

「どうしたの?この件はもう収まったんじゃなかったの?」

「すぐに確認してみて、私はすぐに録音スタジオに戻るから。」

江川湊は電話を切り、SNSを開くと、案の定トレンド1位は彼に関するニュースだった。

彼に彼女がいるという暴露ニュースなら、こんなに大きな反応を引き起こさないはずなのに?

写真を見た瞬間、彼は驚いて時田浅子の方を見た。

時田浅子はさらに困惑していた。

この写真は、彼がその日時田浅子に水を渡したときのものだったが、選ばれた角度が絶妙で、背景もぼかされていて、まるで二人きりの親密な写真のように見えた。

もう一枚は、彼がレストランに入る場面と時田浅子がレストランに入る場面だった。

これらの写真は一緒に撮られたものではないが、撮影時に他の人がいなかったため、メディアが最も得意とする風説の捏造により、これら二枚の写真が並べられていた。

それは彼と時田浅子がデートし、一緒に食事をしたということを示唆していた。

短時間のうちに、時田浅子がこのドラマの声優で、ヒロインの声を担当していることが暴かれた。

様々なバージョンの噂が広まっていた。

時田浅子は彼のおかげで声優に選ばれたとか。

彼が収録に参加したのは実は時田浅子と一緒にいるためだったとか……

現在、会社の広報部はまだ何の対応もしていなかった。おそらく対処中なのだろう。

この状況では、反応しないことが最善の対応だった。

江川湊のマネージャーが突然駆け込んできた。彼は直接江川湊に向かわず、むしろ時田浅子の方へ歩み寄った。

「時田さん、ネット上の件はあなたと関係ありませんか?」

「どんな件ですか?」時田浅子は困惑した表情を浮かべた。

「江川湊のスケジュールがどうして漏れたんですか?あなたと関係ないと言い切れますか?ネットであなたたちの恋愛関係が話題になってトレンド入りしているんですよ!」

時田浅子はマネージャーに応えず、急いで携帯を取り出し、SNSを開いてトレンドの投稿を見た。