藤原時央は車椅子に座り、彼女の母親と話していた。
彼らが何を話しているのかわからないが、雰囲気はとても和やかだった。
時田浅子は気づいた。彼女の母親は本当に藤原時央のことが好きで、まさに義理の母親が娘婿を見る目、見れば見るほど気に入るという好き方だった。
ドアが開く音を聞いて、藤原時央はゆっくりと頭を上げて入り口を見た。時田浅子が抱えている花束とプレゼントを見たとき、彼の目は少し暗くなった。
これらのものは、おそらくあの柳裕亮が贈ったものだろう。
「お母さん」時田浅子は声をかけながら入ってきて、テーブルの上にものを置いた。
「浅子、これは誰からもらったの?」時田秋染は静かに尋ねた。
「これはクラスメイトからもらったの」時田浅子はベッドの側に行き、時田秋染の手を握った。「お母さん、今日の調子はどう?」
「医者たちは、お母さんの回復がとても良いって言ってるわ」時田秋染は笑顔で答えた。「あなたのクラスメイトがこんなにたくさんのものを送ってくれたなんて、きっと大金を使ったのね。そんなに出費させるべきじゃなかったわ」
時田浅子も、柳裕亮がこんなにたくさんのものを買ってくるとは思っていなかった。
相手がすでに買ってきたものを、もし断ったら失礼にあたるだろう。
「お母さん、せっかく贈り物が届いたのだから受け取りましょう。私と浅子で彼を食事に招待して感謝の気持ちを伝えます」藤原時央が突然口を開いた。
時田浅子は即座に彼の方を見て、目に疑問の色が浮かんだ。
藤原時央は一体何をしようとしているのだろう?
「それならいいわ、お礼を言わないとね」時田秋染はうなずいた。
「お母さん、私を呼んだのは何か用事があるの?」時田浅子はすぐに話題を変えた。
「お母さんが退院した後、どうするつもり?」
「お母さんを帝都に残そうと思ってるの。そばに誰かいないといけないから、帝都にいれば私がそばで世話できるし、この二、三日で家を探してるところ。お母さんが退院するまでには、住む場所を用意できるわ」時田浅子は正直に答えた。
「浅子、決めたわ。退院したら時央の家に住むことにするわ。あなたたちと一緒に」
時田浅子:!!!
「お母さん、ちょっと待って。藤原若旦那と話があるの」時田浅子は藤原時央の意向を気にせず、彼の車椅子を押して洗面所へ向かった。