第309章:藤原さまがどうして手をこまねいているだろうか

カフェに着くと、二人は隅の席に座った。

「時田浅子、今日は僕がおごるよ」柳裕亮はメニューを時田浅子に渡した。「デザートも何か頼もうよ」

「いや、いや、私がおごらせて」時田浅子は人に迷惑をかけるのが一番怖かった。自分がおごれば、少しは気が楽になる。

「こういう場所で女の子に支払わせるわけにはいかないよ。もう争わないで」

「わかったわ。じゃあ今度は私がご飯をおごるね」時田浅子はこれ以上争わず、メニューを見てケーキといくつかのお菓子、それにコーヒーを注文した。

「先輩、私は決めたわ。あなたは何か注文する?」

柳裕亮も同じものを注文し、メニューをウェイターに渡した。

「時田浅子、失礼な質問をしてもいいかな。もし唐突すぎると思ったら、答えなくてもいいよ」

「どんな質問?聞いてみて」