第507章:私は謝罪に来ました

このお金は全部彼女のものであり、しかも合法的に得たものだったので、彼女はすべて受け取った。

そして、このお金はほとんどがあのスポンサーからの贈り物だった。

彼女はただあのスポンサーがお金持ちだと思っていただけで、まさかあんなにお金持ちだとは思わなかった!

以前、藤原時央がくれた300万円と、契約後の収入、そして彼女が音声を売って少しずつ貯めたものを合わせると、もう1500万円近くになっていた。

彼女は今、お金を稼ぎたい、たくさんのお金を稼いで、母親に幸せに暮らしてもらいたいと思っていた。

もし可能なら、母親を海外に送り出すのが一番良い。

十分なお金を貯めたら、彼女はすべてを捨てて、母親と人生の最後の時間を過ごすつもりだった。

食事を終えると、森山緑は時田浅子を見て、「浅子、病院に残っていても母親には会えないわ。先に送っていこうか?」と言った。

帰る?

彼女はどこに帰ればいいのだろう?

「緑ねえさん、先に帰ってください。私はもう一度看護師に母の状態を聞いてみます。後で江川楓に連絡して、送ってもらいます」

「わかったわ、じゃあ先に帰るね」森山緑は荷物をまとめて階下へ向かった。

時田浅子は入院部のサービスカウンターに向かった。

突然、カウンターの前に立っている人影が目に入った。その人は大きな花束を抱え、カウンターの看護師に何かを尋ねていた。

斉藤若春!時田浅子の心に怒りが湧き上がった。

彼女はすぐに斉藤若春に向かって歩み寄った。

斉藤若春は背後から聞こえる足音に振り返り、時田浅子を見るとすぐに親しげな笑顔を浮かべた。

「時田浅子……」

「パン!」鮮やかな平手打ちの音が斉藤若春の顔に響いた。

彼女は体のバランスを崩して後ろに倒れ、地面に転んだ。手に持っていた花も一緒に落ち、彼女は非常に惨めな姿になった。

「時田浅子、私は本当に心から母親の見舞いに来たのよ。今、どんな状態なの?」斉藤若春は立ち上がらず、地面に倒れたままで、顔中に心配の表情を浮かべていた。

「斉藤若春、何を演じているの?金恵はあなたの会社の芸能人でしょう。彼女のしたことを、あなたが知らないはずがないわ」