「緑ねえさん、あなた本当に彼の言うことを聞くの?」
「仕方ないわね、彼は私たちの社長なんだから、社長の言うことを聞かないわけにはいかないでしょ?」
時田浅子:……
どうやら、この件は、自分で藤原時央と話し合わなければならないようだ。
「浅子、藤井監督が私を訪ねてきたわ。話し合いをしたんだけど、彼らは私たちが提案した全ての条件を受け入れてくれたわ。それに、藤井監督は番組の総監督として、この件について責任逃れできないと言って、番組を代表してあなたに公に謝罪するって言ってるの。」
「それは必要ないわ。この件は藤井監督の責任じゃないし、緑ねえさん、あなた承諾してないよね?」
「もちろん承諾するわけないわ。藤井監督はかなり評判のいい人だし、もう年配だし、本当にあなたに謝罪したら、逆にあなたの評判に影響するわ。得るものより失うものの方が大きいわ。この件の元凶が相応の罰を受ければそれでいいのよ。」
「うん。」時田浅子は頷いた。
金恵は終わった、前途を台無しにした。彼女のマネージャーも法的制裁を受けた。
でも、この件には斉藤若春も無関係ではない。
しかし、彼女は斉藤若春に何もできない。
母親が病院で耐えている苦痛を思うと、その倍返しを斉藤若春にしてやりたいと思った!
「浅子、最近はゆっくり休んだらどう?お母さんもまだ病院にいるし、仕事が少なければ、退院後にもっと一緒にいられるでしょ。」森山緑が勧めた。
どうせ、彼女の仕事のスケジュールは、藤原社長の一言で却下されたのだから、彼女にもどうすることもできない。
「わかったわ。」時田浅子も、森山緑が板挟みになっている苦しさを理解していた。
電話を切ると、時田浅子はベッドの端に座ってため息をついた。
藤原時央が彼女に仕事をさせないのは、彼女を自分の側に置いて彼の欲求を満たすためだろう。
一人の人間の欲求って本当にそんなに大きいものなの?
何か問題があるのかしら?
時田浅子はこの質問に答えてくれる人を見つけることができなかった。たとえ白川健斗を知っていても、尋ねるのは恥ずかしいじゃない!
彼女はスマホを手に取り、検索欄に一行の文字を入力して、検索をタップした。
30分以上見た後、時田浅子はようやくスマホを置いた。
この検索は大したことないと思ったが、まるで新しい世界の扉を開いたようだった。