藤原時央が京都病院の研究プロジェクトに参加していない限り、彼は心配していなかった。
彼が恐れていたのは、藤原時央が彼の言うことを聞かず、隠れてそのようなことをすることだった。
一度、彼の肩に重い責任が降りかかれば、同じ危険も背負うことになる。
藤原時央は時田浅子の手を握り、優しい声で言った。「ついでにお母さんを見てきたよ」
「お母さんに会ったの?」時田浅子は興奮して尋ねた。
「病室には入れなかったけど、ガラス越しに少し話したよ。彼女の容態はもう良くなってきていて、今朝は熱が下がったんだ」
「よかった、じゃあ私はいつ会いに行けるの?」
「まだ面会は許可されていないんだ。お母さんのためでもあるし、ガラス越しの面会で君が悲しむのも心配だから、お母さんには、この数日間は君を連れて行かないと伝えておいたよ」