林清子はこの光景を見て、胸が痛んだ。
彼女は元々時田浅子を中傷して、老人に浅子への疑いを抱かせようとしたのに、藤原時央が突然現れ、浅子をこんなにも守るなんて。
彼女の目的は達成されなかっただけでなく、まるで道化のようになってしまった。
「林聡明、あなたは以前、不正な手段で私の義母と離婚し、義母と浅子が受け取るべき財産を一銭も渡さなかった。この件について、どう対処するつもりだ?」藤原時央が突然林聡明に尋ねた。
老人は軽蔑した表情で時央を一瞥した。
この状況で、彼と功績を争うのか。浅子母娘のために少しは怒りを晴らさせてくれてもいいじゃないか?
林聡明は完全に呆然としていた。
もう何年も前のことで、離婚してからもずいぶん経つのに、どう対処しろというのか?
しかし、時央は冗談を言っているようには見えなかった。