第595章:宮本凪、諦めないで

時田浅子は体を起こして座り直した。「先にシャワーを浴びてくるわ」

「ちょうどいい、僕も行きたかった。一緒に」

時田浅子は体が軽くなるのを感じ、また彼に抱き上げられた。

彼の目の奥に先ほど消えかけていた熱情が、再び燃え上がるのを感じた。

彼が戻ってきたのは、やはり彼女とベッドを共にするためだけだったのだ!

……

数日間の薬物治療を経て、時田秋染の病状は完全に安定した。

宮本凪もほっと胸をなでおろした。

斉藤若春はテーブルに近づき、コーヒーを置きながら言った。「時田浅子のお母さんの容態が安定して、あなたも安心したでしょう。私の心にのしかかっていた石も下ろせました」

宮本凪はコーヒーを手に取り、斉藤若春を観察した。

彼は感じていた。斉藤若春が時田浅子の母親を本当に心配しているはずがない。