第605章:強硬な姑

時田浅子は少し慌てて、母の手を取ろうと手を伸ばした。

時田秋染は冷たくその手を振り払い、立ち上がって病床に向かい、投げやりな様子でそこに横たわった。

時田浅子は急いで追いかけ、声をかけた。「お母さん……」

「お母さんって呼ばないで、もうあなたの母親でいたくないわ」時田秋染はそう言うと、すすり泣き始めた。

「お母さん、泣かないで。やっと少し病状が良くなってきたのに、泣いて体を壊したらどうするの?」

時田秋染は無理に涙を二滴絞り出した。

「浅子、お母さんに正直に言って。あなたは本当に時央と一緒になりたくないの?」

藤原時央:……

彼は顔を上げて時田浅子を見た。

時田浅子の視線もちょうど彼に向けられていた。

二人は数秒間見つめ合った後、時田浅子は慌てて視線をそらした。

「私は……」時田浅子の言葉は口元まで出かかったが飲み込んだ。「今のままでもいいと思うの。再婚のことは、少し時間をくれない?」