315 添い寝サービス

島田香織は藤原昭子のことをあまり好ましく思っていなかったが、藤原昭子が告白する勇気を持っていたことについては、やはり感心していた。

陣内美念の鼻を鳴らす声が携帯から聞こえてきた。「そう考えると、藤原航も昭子のことをあまり大切にしていないわね」

島田香織は瞳の色が一瞬暗くなり、何も言わなかった。

そのとき、ドアベルが鳴った。

島田香織は電話を切り、ドアに向かって歩いていくと、陸田健児が玄関に立っており、その美しい涼しげな瞳が輝いていた。

「島田お嬢様、あなたの出前お食事相手が到着しました。受け取りをお願いします」と陸田健児は島田香織に笑顔で言った。

島田香織は少し躊躇したが、結局陸田健児を中に入れた。

陸田健児は六品の料理と一つのスープを持ってきており、手慣れた様子でテーブルに並べた。島田香織は手伝おうとしたが、陸田健児に手を洗うように促された。