341 閉じ込められる

島田香織は笑いながら言った。「あなたが山登りに行かないなら、私も行かないわ。一人じゃつまらないし」

「行ってくれない?山頂でコスプレイベントがあるって聞いたの。江田沢人さんのサインが欲しいの。サインを取ってきてくれない?」陣内美念は捨て犬のような目で島田香織に懇願した。

島田香織は目を細めて、陣内美念をじっと見つめながら問いただした。「そうだったのね。二次元美少女のあなたが古い町に来たがった理由は、江田沢人さんのサインが欲しかったからなのね!」

陣内美念は口を尖らせて言った。「そうよ。でも残念なことに生理になっちゃって。この町もおかしいわ。どうして下りのロープウェイしかないの?上りがあれば私も山頂まで行けたのに。そうすれば江田沢人様のサインを直接もらえたのに」