452 楽しかった?

島田香織の瞳に一瞬の戸惑いが浮かび、「昨夜、あまり食べなかったの」と言った。

昨夜は藤原航の褒め言葉を聞いてばかりだったから!

もちろん、このことは島田香織が藤原航に言うはずもなかった。

「お粥があと5分で出来上がるから、先に髪を乾かしてあげるよ」

「うん」

島田香織はまだ少し頭が痛く、藤原航の方に向き直って彼の肩に寄りかかり、髪を乾かしてもらうままにしていた。

彼女の両手の置き場に困り、彼の首に回すと、無意識に彼の短い髪に触れた。

彼の髪は少し硬くてくすぐったく、触り心地が特別に良かった。

藤原航は島田香織の髪を真剣に乾かしていて、彼女の小さな動きに気付いていないようだった。

島田香織は大胆になり、より広い範囲で触り始めた。

藤原航はまだ気付いていないようだった。

島田香織は突然悪戯心が芽生え、そのまま藤原航の短い髪を触り続け、彼の髪が自分の手のひらをくすぐるのを楽しんでいた。

しばらくして、ドライヤーの音が止まった。

島田香織は慌てて手を引っ込め、「もう終わったの?」と尋ねた。

藤原航は意味ありげな笑みを浮かべながら島田香織の耳元に寄り、「楽しかった?ベイビー?」と囁いた。

島田香織は藤原航の言葉を聞いて、眉を少し上げ、「うん、楽しかったわ」と笑って答えた。

藤原航は落ち着いた様子でドライヤーを片付け、片手で島田香織を抱き上げ、外へ向かって歩きながら、彼女の耳元で艶めかしく囁いた。「朝ご飯を食べ終わったら、もっと楽しませてあげる」

島田香織の瞳に戸惑いが浮かんだ。髪でどう遊べるというの?

朝食を済ませた後、藤原航は本当に約束を果たし、彼女を存分に楽しませた。

島田香織はベッドに力なく横たわり、元は整然としていた布団は乱れ、少しも動きたくなかった。

彼女は今になってようやく、藤原航の言う「遊ぶ」の意味を理解した。

ただし、今の彼女にとってその代償は少し大きく、腰が酷く痛んでいた。

藤原航はそのまま島田香織の隣に横たわり、手を伸ばして彼女の腰に手を回し、自分の胸に抱き寄せた。

二人は今、一糸まとわぬ姿で密着しており、彼女は彼の肌の温もりをはっきりと感じることができた。

カーテンは半開きで、今日は少し曇り空で、部屋の中の薄暗い光が却って艶めかしい雰囲気を醸し出していた。