夕食の後、藤崎千颯はまず藤崎お婆様を階上の車まで送った。
藤崎雪哉は仕事の電話に出るために書斎に入り、机の上に手つかずのままのプレゼントを見て、表情が少し寂しげになった。
電話を切った後、すぐにプレゼントを開け、中からルビーのネックレスを取り出した。
工藤みやびはキッチンで皿を洗っていると、突然頭上からネックレスが下ろされ、彼女が反応する間もなく、背後に立つ男性によって首に掛けられていた。
少女の白い玉のような肌が、ルビーをより一層鮮やかに輝かせていた。
「君が身につけるととても綺麗だよ。これは…今日の夕食のお礼だと思って。」
工藤みやびは下を向いて見ると、手を伸ばして外そうとしたが、藤崎雪哉に手を掴まれた。
「いらないわ。」
工藤家で育ち、贅沢な品々を見慣れていたので、もちろん一目でこの宝石の価値がわかった。