第178章 竹内薫乃が直接気絶した

3回連続NGを出し、安藤泰監督は見学に来たファンやメディアがいることを全く気にせず、激怒して竹内薫乃を厳しく叱りつけた。

竹内薫乃のファンたちは自分たちの推しが監督に叱られるのを見て、心を痛めながらも恥ずかしさで死にそうになった。

さっきまであのネット有名人の女優の前で薫乃の演技力を自慢していたのに、今や彼女は連続でNGを出し、まるで彼女たちの顔を腫れ上がらせるほど恥をかかせた。

安藤泰監督は竹内薫乃にもう一度演技の指示を出した後、我慢強く尋ねた。

「3分間で調整して、もう一度撮り直そう」

竹内薫乃はうなずき、深呼吸して、遠くにいるファンと見学に来たメディアをちらりと見た。

ダメだ、このシーンは絶対に撮り終えなければならない。

さもないと、見学に来たファンたちが失望してしまう。

安藤泰監督はそう言うと、また屋根の上に上がろうとしている工藤みやびのところへ行き、声を低くして言った。

「君が気に入らないのはわかるが、少し抑えてくれないか。そうしないとこのシーンは撮れない」

「どうやって抑えるの？」工藤みやびは無邪気な顔をした。

安藤泰監督はため息をついた。「とぼけるのはやめてくれ。このシーンをちゃんと撮りたいなら、小林清風役の竹内薫乃をわざと3回もNGにさせたりしないだろう」

彼女はオーラ全開で、竹内薫乃演じる小林清風を完全に押さえつけていた。

小林清風は彼女のオーラに対抗できず、彼女に対して本能的な恐怖と畏れしか感じていない。

このシーン、どうやって撮り続ければいいのか。

「あなたが言ったこのシーン、私たち三人全員が最高の状態を出さないと、撮っても満足できないでしょう」と工藤みやびは言った。

そう、彼女はわざと演技で圧倒していたのだ。

竹内薫乃は自分が実力派俳優だと自慢していたじゃないか？

彼女は自分のファンと見学メディアの前で、その顔に平手打ちをくらわせてやるつもりだった。

これでネット上で演技派だとか何とか言って、彼女のような新人を踏みつけにする面目があるだろうか。

安藤泰は手を振った。「いいよ、元の感覚でやってくれ」

彼女の演技には問題がない。問題は竹内薫乃の実力が足りず、彼女の演技に対応できないことだった。

このシーンは重要なので、妥協して撮っても使えない。