アパートに戻ると、また夜の七時八時頃になっていた。
お手伝いさんはすでに夕食を用意していて、工藤みやびは手を洗うとすぐに食卓に着き、テーブルの上にまたスープがあるのを見て不思議に思った。
「山本おばさん、この二日間はどうしてずっとスープなの?」
しかも、全部滋養のあるスープばかり。
「奥様のご指示です。若旦那の体を補強するためのスープです。」
工藤みやびはスープを一口飲んで、「これ何のスープ?美味しいね。」
「肉蓯蓉と羊の骨のスープです。腎臓に良いんですよ。」
工藤みやびは一口で詰まり、お椀を置いて向かいに座っている藤崎雪哉をちらりと見た。
彼はいつも忙しくて食事をする暇もなく、よく夜更かしもするから、確かに補強が必要かもしれない。
「何を疑っているんだ?」藤崎雪哉は眉をひそめた。